大きな成果を挙げやすいのは「初心者」と「ベテラン」どちらだと思いますか?
多くの人は『「ベテラン」の方が、若手よりも多く成果を残し続けるだろう』と考えますが、実は若手がベテランより成果を上げた例は数多く存在します。
例えば、大学在学中にFacebookを立ち上げたマーク・ザッカーバーグや20歳でマイクロソフト社を立ち上げたビル・ゲイツなども若手が成果を上げた例の1つでしょう。
とはいえ「それは彼らの元々備わった能力が高いからなのでは?」と思うかもしれませんが、経験の浅い人が新しいものを生み出して成果を挙げるということは珍しいことではありません。
例えば、自分と同じような浅い経験のメンバーとアイデアを出し合うときに思ったよりたくさん案が出たり、良い案が出たりして評価を受けたことはありませんか?
これらはすべて「経験が浅いからこそ見える視点」が生んだ成果なのです。
そしてある調査によって、経験の浅い人が持つ思考や行動のパターンが分かってきました。また、この思考や行動パターンを「ルーキースマート」といいます。
[キーワードの定義]
▶ルーキー:初めてある課題や問題を経験する人
▶ベテラン:ある課題や問題を経験し、成果を得ている人
ルーキーが成果をあげられる「強み」
ルーキーはベテランにはない強みがあるからこそ成果をあげることができます。
その強みは大きく4つあります。
①失うものが何もないのでフットワークが軽い
②周囲からアドバイスを求め、目の前の問題に取り組む
③慎重にかつ足りないものを素早く埋めようとする
④少ない資源の中で物事を素直に捉え、本質を追究する
失うものが何もないのでフットワークが軽い
ルーキーは経験が浅く、実績や責任がないので、新しいことを始めることに対するプレッシャーは責任を持つベテランより感じにくいでしょう。
例えば、大きな大会で何度も優勝しているスポーツの選手は、まだ一回も優勝したことがない選手に比べると「優勝すること」へのプレッシャーを強く感じるはずです。
この場合ベテランは自己実現のための「優勝」だけでなく、周りの期待に応えるための「優勝」も含まれますが、ルーキーは最初の一歩として自己実現のための「優勝」と捉えているため、背負うプレッシャーはベテランの方が重いでしょう。
周囲からアドバイスを求め、目の前の問題に取り組む
新たな問題に初めて取り組むルーキーはそもそも問題に関する情報や基本的な知識や理解が足りないので、ベテランや専門の人がら直接アドバイスをもらい、それを利用して解決しようとします。
例えば、初めて見る言語を理解しようとするとき、その言語の基本的な単語や文法を知らないと問題を解決できないのと同じです。
慎重にかつ足りないものを素早く埋めようとする
ルーキーは無知なので視野が広い分、リスクも伴うことも十分に理解しているので、何かを決めるときは慎重に判断します。
また同時にその判断材料として足りないものは素早く埋めることで、より正確な判断を下すことができます。
少ない資源の中で物事を素直に捉え、本質を追究する
ルーキーは経験が浅い分、持っている情報が少なく、情報の真偽の判断も難しいですが、取り組む問題の「そもそも」の視点を持ち、問題を単純化し、結果的に本質に迫ることができます。
本質を捉え変革することができれば、今まで見なかった新しいチャンスが生まれ、大きな成果を得る可能性があります。
ルーキーが成果をあげる具体的な方法
それではルーキーは実際どのような方法を用いて成果を上げているのでしょうか。
数多くの方法がありますが、筆者が大事だなと思う方法をピックアップしました。
データを集める
ルーキーは常に自分の持っている知識が不足しているのだということを自覚して、積極的に情報を取りに行くことが必要です。
これは知的謙遜にもつながることであり、自己成長には欠かせない考え方だといえるでしょう。
専門家を探す
ルーキーは専門的な知識を持っている人に助けを求めることで、今の自分の行動が問題解決に向かっているかのフィードバックを得ようとします。
ある調査によるとルーキーが他人に助けを求める確率はベテランの4倍だそうです。それはルーキーの方が自分の経験が浅い分、自分にはできない部分や未熟な部分があることを自覚し受け入れていることができているため、純粋に学ぼうとするからだといえるでしょう。
現場に立ち、的確な情報とフィードバックを得る
ナイチンゲールの名言「どんな仕事をするにせよ、実際に学ぶことのできるのは現場においてのみである」にもあるように、身をもって学んだ経験や情報は本やネットなどの情報よりも貴重です。
また、実践的な経験によって自分の分からないところがはっきりし、経験のある人から手軽で確実にフィードバックを受けられるのは”現場で一緒に働く環境があるから”です。
常に自分で問いを立て、問題解決に励む
ルーキーは問題に取り組む中で自分自身の問いや課題を見つけそれを解決しようとします。
そうすることで、能動的に行動でき、その行動した分だけ多くの学びを得ることができます。
もし、何も考えることなく目の前のことに流されることに慣れてしまうと、そのうち受け身になってしまいます。
もちろんその分得る学びも少なくなってしまい、周りに振り回されることになるリスクもあるでしょう。
永遠のルーキーになるためには
世の中にはルーキーだけが成果を残すわけではありません。もちろんベテランが残した成果も数多く存在します。
彼らは、生涯に渡る「永遠のルーキー」といえるでしょう。
そんな彼らが大事にしていることは以下の4つです。
・好奇心
・謙虚
・遊び心
・計画性
好奇心
永遠のルーキーは、新しいことに対して好奇心旺盛です。なので新しい考えにアップデートしていくことができ、過去の考え方にとらわれることがありません。
謙虚
ルーキーは何度も実績や成果を残していますが、毎回新たなことに挑戦する姿勢で取り組むので、過去の栄光にとらわれることがありません。
遊び心
ルーキーは遊び心も大事にしています。どうすれば面白くなるかや楽しんでもらえるか、など大人の視点だけでなく、子どものような純粋な気持ちを忘れずに新しいものを作り出します。
計画性
計画性を持って取り組むことで筋道を明確にしています。
また、具体的な目標や計画の立て方についてはこちらで詳しく解説しています。
まとめ
ベテランにはないルーキーの強み
・失うものが何もないのでフットワークが軽い
・周囲からアドバイスを求め、目の前の問題に取り組む
・慎重にかつ足りないものを素早く埋めようとする
・少ない資源の中で物事を素直に捉え、本質を追究する
ルーキーになるための具体的な方法
・データを集める
・専門家を探す
・現場に立ち、的確な情報とフィードバックを得る
・常に自分で問いを立て、問題解決に励む
永遠のルーキーになるためには
・好奇心
・謙虚
・遊び心
・計画性
この記事の最初に言ったように誰もがみな始めは「初心者」です。ということは誰でも成果を残すルーキーになれる可能性があります。
そして、初めて取り組むときこそが問題を純に追究できる絶好の機会であるため、それだけ成果も得られやすいのです。
さらに詳細が気になる人はこちらがおすすめです!
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